数え年
数え年とは、生まれたその日から1歳となり、新年を迎えるとともに1つ歳を取るという考え方です。例えば12月31日に生まれた赤ちゃんは、翌日には2歳になるという計算です。諸外国との交流が増えた明治より昔は数え年で年齢を数えていましたが、現在の日常生活において数え年が用いられることはまずありません。ただ、神社やお寺で祈願などを行うなど、神仏にかかわる場合は数え年を使うことがほとんどです。
なぜ元旦になると歳を取るのか。これには歳神様が関係しています。私たちが正月の前に注連縄(しめなわ)や松飾、鏡餅を用意するのは、それが歳神様をお迎えする準備だからです。そして歳神様がおいでになった時その魂が餅に宿り、それをいただくことで1年分の魂、言い換えれば1年を乗り切る力を授かるとされています(この、歳神様の魂の宿った餅をいただくというのがお年玉の起源とする説があります)。年初めに歳神様のお力を1年分頂戴する、だから年を1つ取るということになります。
年を取ると聞くとマイナスの印象を抱きがちですが、年齢の分だけ神様の力と自分自身の経験が積み重ねられていくという風にも考えられます。それらをもとに、新しい年がより良き年になるよう精進を続けたいものです。