2024.6

三毒さんどく

仏教では根本的な煩悩として、貪瞋痴とんじんちというものがあるとされています。

貪はむさぼること・尽きない欲望、瞋は怒り・にくしみ、痴はおろかさ・分別のない心のことです。この三つをまとめて三毒とよんでいます。

たしかにこれらは自分にとっても他人にとっても、良いことはありません。毒そのものといえます。

ですが、三毒をまったく生ぜずに日々を過ごすことはまずできないでしょう。生きているかぎりなにかしらの欲はありますし、理不尽・不快なことがあれば怒って当然です。また、常に的確な判断をくだせるわけではありません。

ただ、貪瞋痴をかかえている自分を意識することはできるとおもいます。毒と聞くと我々のそとにあるもののようですが、貪瞋痴は私たちの心の一面です。心の毒を自身でおちついて客観的にながめることで、毒の広がりを防げるのではないでしょうか。