2020.11

お 香

法要や祈禱といった仏事を執り行う際に様々な道具が必要となりますが、そのうちの一つにお香があります。お香の素材は主に白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)といった香木(こうぼく)です。

最も広く使われているお香は線香ですが、他にも粉末状の塗香(ずこう)や細かく刻まれた木片状の焼香(しょうこう)などがあり、用途によって形状が異なります。

お香を用いる目的はおおまかに二つ、お清めとお供えです。

僧侶が仏事を行う際、先ず始めに塗香を使います。器から塗香をつまみ取り、両掌に摺り付けます。そうすることで体を清め、また香りを嗅ぐことで心を清めるという意味合いがあります。

仏前に花や灯明を設(しつら)えるとともにお香を焚くのは、仏が香りを好むとされているからです。法要などで行う焼香は、仏や故人に香りを捧げるために行うものでもあります。