2020.12

南 無

南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)のように、仏教では南無の付く語句がよく使われます。

この南無はもともとサンスクリット語の、敬意をあらわす「ナモ」を音写した言葉で、帰命(きみょう)、即ち仏を称えその教えに従うことと訳されています。

仏の前に立ったとき、お願いごとをする方は多いと思いますが、その際に敬意を表すのはとても大事なことではないでしょうか。人の場合でも同じですが、願いを聞き入れてくれる相手に対してはこちらも然るべき態度で臨む必要があると思います。

堂宇(どうう:四方に張り出した屋根(軒)をもつ建物、仏堂など)や仏壇の前で仏と向かい合い、手を合わせ、「南無○○」と唱えることは仏を敬う所作でもあることを、当たり前であるとはいえ、意識していただけたらと思います。